突然の簿記の話題

簿記1級の原価計算ではあまり出題頻度は高くないらしいが、いまいち理解度が低いのでまとめてみる。自分で解説を作ると分かった気になれるもの。

手持ちのTAC簿記の教科書には月初仕掛品のないシンプルなケースしか掲載されていなかったので、 こちらのページ にて取り上げられているような状況を考えてみる。数値を微妙に変更しているけど大枠はほぼそのまま引用。

[資料]
1.生産データ(単位:kg)
月初343(20%)
当月3150
月末480(40%)
完成2700
※原料は全て始点投入で、工程を通じ10%の一定率で失われる。

原価計算問題で生産データが与えられた場合とりあえずボックス図を作るのだが、その時点で何かがおかしいことに気づく。理由は作ればわかる、ボックス図の左右で個数が合わないのである。

そこで資料を読み直すと、減損が発生していることがわかる。この減損個数をボックス図に入れ忘れているから数が合わないのも当然か。

減損個数の求め方は教科書通りの手法となる。月末部分に注目すると、工程の40%が終了していて、減損は工程を通じて10%なのだから、40% × 10% = 4%の減損が発生しているということになる。480部分が減損しなかった96%にあたるので、減損を含めた数量は480 ÷ 96% = 500と求めることができる。よって減損してしまった4%20である。

完成品は工程の100%が終了しているので減損はシンプルに10%となる。考え方や求め方は月末と同様なので省略。

そして減損の個数を踏まえてボックス図を作り直すとこうなる。

まだ合わない。生産データは網羅した、減損も考慮した、しかしまだボックス図の左右で数が合わない。

実はまだ1つ考慮漏れが存在する。何かというと、月初の減損。同様といってさらっと流してしまったが、完成品から発生した減損には月初時点で発生していた減損が含まれてしまっている。
月初時点で発生しているということは、その減損は月初仕掛品に係るものであり、先月に発生・計上しているはずの費用ということになる。

要する先月の減損がボックス図の右側に混じっていますよとそれだけのことである。それなら先月の減損を求めて減算してしまえばよい。
先月の減損とは月初仕掛品を作るために発生した減損である。ではその求め方は?なんのこともなく、月末仕掛品に伴う減損の求め方と同様である。

先月の減損として7が発生していて、それが完成品から発生した減損3000にも含まれてしまっているので、そこを修正してボックス図を書き直す。

ボックス図として正しいか分からないがイメージとしてはこういうこと。

今回は月初分の減損を後から減算という形で求めたが、初めから当期に発生した減損分だけを計算していくこともできる(はず)。後から減算は同じ方法の使いまわしで済むことがメリットかもしれない。

あとは完成品換算個数を求めて材料費や加工費を煮るなり焼くなりするだけ。特に話題もないので換算版のボックス図だけ作って締め(小数でてしまった・・・)。